今日の農業プロジェクトの基礎学習は、「うじ虫は好き?」という質問からスタートしました。
「うじ虫って何をして生きているんだろう?」 「もし、いなくなったら??」
実は「うじ虫」という言葉は、唐突に出てきたのではありません。
プロジェクト学習で鶏を飼育する経験の中で、この1週間ほど子どもたちはうじ虫と向き合ってきました。

1年半ほど前に近くの養鶏場さんから学校に来てくれて、ずっと元気に過ごしてきた雄鶏さん。
先月末、怪我も重なって体調が思わしくなく抵抗力が落ちていたタイミングで、お尻にハエ=うじ虫の卵を産みつけられてしまいました。
今月に入って獣医さんから、本人(本鶏)が痛みと戦っていること、命がもう長くないかもしれないこと、通常は人間側で安楽死を選ぶ状態であることなどを聞かされた子どもたち。
「安楽死」「静かにその時を待つ」「お肉としていただく」などの選択肢を視野にみんなで話し合った結果、「まずは生きるのを積極的に手助けする」という結論を出しました。
低学年の子どもが多い今年の農業プロジェクトですが、「本人は生きようとしているように見える」「僕たちが安楽死を選ぶのは違うと感じる」「まずは頑張って手助けしてみて、それからまた考える」と、熟考したようです。
調べてみると、温水に鶏をつけてあげることで、お尻周辺で増えてしまったうじ虫が窒息して水面に出てくるという手助けの案が見つかりました。


さっそく、雄鶏さんをお風呂に入れてみると…
お尻の方から50匹くらいのうじ虫の死骸が出てきました!
葉っぱで水中の虫を取り出しながら、「痛みが少しでも和らぐと良いな」「うじ虫なんか全滅してしまえ!」と怒る子どもたち。しかし、「もし本当にうじ虫がいなくなったら困る生き物もいるんじゃないかな」という声もありました。
もし、うじ虫がいなくなったら…スタッフはそんな声を受けて、虫たちの役割や生物ピラミッド、食物連鎖、アニマルウェルフェアについて今日の基礎学習で取り上げたのでした。

理科、社会、そして道徳。
鶏を育てる経験から、たくさんの生きた学びが広がります。
「僕はハチも嫌い!全滅してほしい!」
「ハチがいなくなったら植物が受粉できなくて、イチゴを食べられなくなるよ」
「鶏もうじ虫も一緒に生きるためには、どうしたら良いんだろう」
「うじ虫が増えすぎないようにする方法は何だろう」
教科書には正解が載っていない、命やアニマルウェルフェアという大きな問い。
テストで高得点を取ることよりも、こういった正解のない問いに子ども時代に向き合えることに価値があると私たちは考えています。


学校が休みの日に雄鶏さんが亡くなってしまった場合に備えて、土日の当番を決めて見守りに来たり、安全に遺体の処理をする練習をしたりも。
しっかり軍手をつけて、腐敗が進まないように冷蔵庫に入れて…。
「練習はしたけれど、生きていてほしい」という気持ちはみんな一緒です。
今週は月曜日にまた雄鶏さんに会うことができて、安心した様子でした。
命が教えてくれる、教科書を超えた学びの時間。子どもたちとともに大切に重ねていきたいと思います。
